アラサー世代でサッカーやゲームを好きな人なら、ウイニングイレブンでの「メッシー」という表記を覚えている人も多い気がする。
バルセロナの背番号30、ちょっと足が早いけど、ロナウジーニョ、エトー、ジュリを代えて使うほどではないキャラクター。
メッシのことを初めて認識した時は、そんな印象。
奇しくもトップチームでプレーをするようになったのが、自分がやるだけではなく海外サッカーや観戦するサッカーにはまり始めた時期だったので、彼の名前が有名になるのは何となく嬉しいというか、親近感を覚えて。
当時は初代銀河系レアル(ロナウド、ジダン、ベッカム他)の終末期だったし、一方で全盛期ロナウジーニョがいるバルサはサッカー界の中心って感じがして、そのなかで期待の若手であるメッシは何となく主人公感があった。
2005年のワールドユース、本田や水野、家長に前俊たちが出ていた時に優勝したのも、北京オリンピックで優勝したのも、ロニー移籍後のバルサで10番を背負いリーグ、CL、クラブワールドカップで優勝したのもバロンドールを取ったのも、本当に現代サッカーの申し子だった。
元々俺はミラニスタで、スーペルピッポやマルディーニが好きだったこともあって、国としてはアズーリことイタリア代表推し。
2006ドイツワールドカップではチェコ戦でのピッポがらしいゴール、準決ドイツ戦のデル・ピエロのゴラッソを延々と見てたんだけど、まだ10代のメッシがセルビア・モンテネグロ戦でゴールを決めたのは忘れられないもんね。
ここからあと何大会出られるんだろう。
そんなことを思って、早16年。
中学生だった俺は30になったし、10代だったメッシも30半ば。
2006,2010,2014,2018。
4大会でメッシはまだワールドカップを取れていなくて、そのせいで「マラドーナやペレとは違う、メッシはワールドカップを取れていない」という批判があるのは、ただのサッカーファンの身ではありながらも聞いていて気持ちのよいものではなかった。
2014で準優勝なのにゴールデンボール(MVP)を受賞したときには忖度と言われ、笑顔がなかった。
ライバルとされるCロナウドがEUROでポルトガルを優勝に導いた時にメッシがまだコパでも優勝してなかったこともあって、ロナウドとの間に差ができたとも言われた。
クラブ、ユースでは全てを得ていたメッシに唯一足りないのがA代表の国際タイトルで、コパを取っても結局は「ワールドカップで優勝してないでしょ?」の堂々巡り。
アルゼンチン代表が特別好きなわけではない(もちろん好きなんだけど、イタリア程の思い入れはない)俺であっても、一度はメッシに優勝してほしいという気持ちはずっとあった。
2018にモドリッチがバロンドールを獲得、ムバッペやハーランドの台頭もあって、メッシロナウド時代の終焉と言われ4年。
最後のW杯と公言した大会で初戦格下と思われたサウジアラビアに負け、そこから巻き返しての優勝。途中では乱闘騒ぎもあり。
ワールドカップに限らず、成長ホルモンの分泌障害で家族でスペインに渡り、そこでプロになり、クラブに全てをもたらして代表にもとうとう還元した。
マジで主人公だよ。
アルゼンチンに優勝してほしいという気持ちよりも、メッシにワールドカップをとってほしいという意味で今年のワールドカップはアルゼンチンに勝ってほしかった。
そして決勝で、想像以上の試合で最高の結果を出してきた。
おめでとう、メッシ。
あんたが世界一や。
あと何年か分からないけど、これからも様々な記録を更新し、魅了するプレーを見せてくれることを楽しみにしています。